フリーランスの手取り=売上ではない
フリーランスとして独立を考えたとき、最初にぶつかる壁が「結局、手取りはいくらになるの?」という疑問です。会社員時代は給与明細に天引き額が書いてありましたが、フリーランスは自分で計算する必要があります。
フリーランスの手取り額は、以下の計算式で求められます。
手取り = 売上 − 経費 − 税金 − 社会保険料
ここで引かれる「税金」と「社会保険料」は5種類あり、それぞれ計算方法が異なります。
フリーランスが支払う5つの税金・保険料
1. 所得税
課税所得に対して5%〜45%の累進税率で課税されます。2037年までは復興特別所得税(2.1%)が加算されます。
| 課税所得 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 〜195万円 | 5% | 0円 |
| 195万〜330万円 | 10% | 97,500円 |
| 330万〜695万円 | 20% | 427,500円 |
| 695万〜900万円 | 23% | 636,000円 |
| 900万〜1,800万円 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万〜4,000万円 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円〜 | 45% | 4,796,000円 |
2. 住民税
前年の所得に対して一律10%(都道府県民税4% + 市区町村民税6%)が課税されます。均等割として年額約5,000円も加算されます。フリーランス1年目は前年が会社員所得のため、住民税が高額になるケースがある点に注意しましょう。
3. 個人事業税
事業所得が年間290万円を超える場合に課税されます。税率は業種によって3〜5%で、ほとんどの業種は5%です。
- 5%:デザイナー、プログラマー、コンサルタント、カメラマン等
- 4%:畜産業、水産業等
- 3%:あんま、はり、きゅう、マッサージ等
- 非課税:文筆業(ライター、作家)※自治体によって判断が異なる
4. 国民健康保険
前年の所得をもとに、市区町村ごとに計算されます。年収500万円・経費150万円の場合、年間約45〜55万円が目安です。会社員の健康保険と異なり、全額自己負担です。扶養の仕組みもないため、家族分も別途発生します。
5. 国民年金
2026年度の保険料は月額16,980円(年間203,760円)です。定額制のため所得に関係なく同じ額ですが、会社員の厚生年金と比べると将来の受給額が少なくなります。付加年金(月額400円)やiDeCoで補うことが推奨されます。
年収別の手取りシミュレーション
経費率30%、青色申告65万円控除、東京都在住、扶養なしの場合の目安です。
| 年収(売上) | 経費 | 所得税 | 住民税 | 事業税 | 国保 | 年金 | 手取り | 手取り率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 90万 | 5.5万 | 11.5万 | 0 | 18万 | 20万 | 245万円 | 82% |
| 500万円 | 150万 | 17万 | 24万 | 2.5万 | 38万 | 20万 | 349万円 | 70% |
| 800万円 | 240万 | 46万 | 41万 | 17万 | 60万 | 20万 | 456万円 | 57% |
| 1,000万円 | 300万 | 77万 | 54万 | 27万 | 77万 | 20万 | 545万円 | 55% |
※概算値です。正確な金額は居住地の国保料率やその他の控除によって変動します。
会社員との手取り比較
同じ年収500万円でも、手取りには大きな差が出ます。
| 項目 | 会社員 | フリーランス |
|---|---|---|
| 年収 | 500万円 | 500万円 |
| 経費・給与所得控除 | 144万円 | 150万円(30%想定) |
| 社会保険料 | 約72万円(自己負担分) | 約58万円(国保+年金) |
| 所得税+住民税 | 約37万円 | 約41万円 |
| 事業税 | なし | 約2.5万円 |
| 手取り | 約391万円 | 約349万円 |
会社員の方が手取りが多く見えますが、会社が負担している社会保険料の半額(約72万円)を含めた実質人件費は約572万円です。フリーランスは経費の範囲が広く、節税の自由度が高いのが特徴です。
手取りを増やす5つの節税テクニック
1. 青色申告で65万円控除
開業届と青色申告承認申請書を提出し、複式簿記で記帳してe-Taxで電子申告すると、最大65万円の特別控除を受けられます。節税効果は年間約10〜20万円です。
2. 小規模企業共済に加入
月額1,000〜70,000円の掛金が全額所得控除。年間最大84万円の控除が可能です。退職金の代わりとしても機能します。
3. iDeCoで老後資金と節税を両立
フリーランスは月額最大68,000円(年間81.6万円)まで拠出可能。全額が所得控除対象で、運用益も非課税です。
4. 経費を正確に計上
家賃(家事按分)、通信費、交通費、書籍代、ソフトウェア代、交際費など、事業に関連する支出は漏れなく経費計上しましょう。
5. 法人化の検討
課税所得が700〜800万円を超えてきたら、法人化によって税負担が軽くなるケースがあります。法人税率は一律約23%のため、累進税率の高い個人事業主より有利になります。
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- 会社員との手取り比較をワンクリックで表示
- すべてブラウザ内で完結。所得情報がサーバーに送信されることはありません
独立前の収入シミュレーションや、節税対策の効果検証に活用してください。フリーランスの業務効率化全般についてはフリーランス業務効率化ガイドもご参照ください。